2-10 高額特定資産を取得した場合の納税義務の免除の特例

【1】内容
(1)  (2)以外の資産の場合
事業者(免税事業を除く。)が、簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に、高額特定資産を取得した場合(2の場合を除く。)には、その課税仕入れ等の日の属する課税期間の翌課税期間から、その課税仕入れ等の日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間に国内において行った課税資産の譲渡等(特定資産の譲渡等を除く。)及び特定課税仕入れについては、納税義務は免除されない。
(2) 自己建設高額特定資産の場合
事業者(免税事業者を除く。)が、簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に自己建設高額特定資産の建設等に要した費用の額が1千万円以上となった場合には、その1千万円以上となった日の属する課税期間の翌課税期間からその建設等が完了した日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間中に国内において行った課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについては、納税義務は免除されない。

【2】適用除外
基準期間における課税売上高が1千万円を超える場合、課税事業者を選択している場合、特定期間における課税売上高による納税義務の免除の特例、相続、合併、分割等、吸収分割があった場合の納税義務の免除の特例、新設法人の納税義務の免除の特例、特定新規設立法人の納税義務の免除の特例により課税事業者となる場合には、この規定は適用されない。

【3】高額特定資産の範囲等
(1) 高額特定資産
次に掲げる対象資産(棚卸資産及び調整対象固定資産)の区分に応じ、それぞれに定める金額が1千万円以上のものをいう。
①対象資産(②を除く。)
対象資産の一取引単位に係る課税仕入れに係る支払対価の額の100/108相当額、特定課税仕入れに係る支払対価の額又は保税地域から引き取られるその資産の課税標準である金額
②自己建設資産(対象資産のうち、他の者との契約に基づき、又は事業者の棚卸資産若しくは調整対象固定資産として自ら建設等をしたもの)
建設等に要した仕入れ等に係る支払対価の額の合計額
なお、仕入れ等に係る支払対価の額とは、自己建設資産の建設等に要した課税仕入れに係る支払対価の額の100/108相当額、特定課税仕入れに係る支払対価の額及び保税地域から引き取られるその資産の課税標準である金額をいう。
⑵自己建設高額特定資産
他の者との契約に基づき、又は事業者の棚卸資産若しくは調整対象固定資産として自ら建設等をした高額特定資産をいう。
⑶自己建設高額特定資産の建設等に要した費用の額
建設等に要した仕入れ等に係る支払対価の額の累計額をいう。